犯罪被害者支援県民のつどいへ参加【浦和東支部】
2018年12月3日 更新
日時
平成30年12月1日(土)午後1時30分から午後4時50分まで
会場
埼玉会館 小ホール
つどいの内容
一部 犯罪被害者支援に関する作文・感想文に対する表彰(小・中・高校生)
二部 講演
(1)心の支援と生活支援の必要性 講師 関東交通遺族の会 代表 小沢 樹理氏
(2)喪失体験後の心に寄り添う 講師 防衛医科大学校 教授 高橋 聡美氏
三部 ミニコンサート
さいたま市立宮原中学校合唱部
二部の講演内容
(1)小沢講師は、平成20年、熊谷市で発生した家族2名死亡、2名重傷の飲酒運転加害者による重大事故の被害者家族として、直後から東奔西走し、以後8年に及ぶ裁判の中で26回の公判を全て傍聴して真実の把握に努め、今でも後遺症に苦しむ家族を支えながら交通遺族の会の代表を務め、犯罪による被害を受けた方の気持ちに寄り添い、温かな気持ちを届けられる社会づくりに精力的に活動を展開している。
今回の講演では、被害者に必要な支援として、
- こころの支援
- 生活の支援
について具体的に話されたが、
- 早期の支援では、支援室のパンフレット1枚、警察官の一言のアドバイスが、家族にとって大きな支えになったこと
- 長期の裁判では、大きな支えになってくれたのが、検察官、支援センターの方々であり、ちゃんと私たちに向き合って支えてくれた
- 周囲の心を持たない人の対応は、二次被害に繋がる(行政機関の窓口など)
- 埼玉県で制定された「犯罪被害者等支援条例」は、私達が待ち続けたものであり、このことによって各市町村の犯罪被害の窓口が大きな支えになることを期待している
等が印象的であった。
(2)高橋講師は、家族や友人、身近な人を失う物理的喪失と、信頼、夢、希望、目標、地位、名誉役割等という心理的社会的喪失について話され、・喪失体験は過去のものであるが、現在進行形であること・グリーフとは、喪失体験に伴う愛情や悲しみなど様々な感情のことでその反応は10人10色である
が、これらのネイテブな感情を否定することなく、肯定してあげることが大切であり、そのことが喪失体験者の大変な力になる。
グリーフの目指すものは、
- グリーフの物語に耳を傾ける
- その人なりの亡き人との繋がることのお手伝い
- 主導権を奪わない
- その人の見えている景色をシェアする
などである。
また、有害支援としては、
- アドバイス
- 回復を鼓舞する
- 陽気にふるまう
- 不遜な態度
- 過少評価
- 私は貴女が判る 相手を聞き役にする
等であり、注意を要する。
次に、有用支援としては、
- 同じ境遇の人と接する
- 吐き出す機会を持つ
- 誠実な関心を示す
- そばに居る(なにか声掛けするよりも聞いてあげるほうが支援になる)
等を話され、両講師の講演は、今後の被害者支援推進上の大きな教訓をいただいた。