第35回暴力追放・薬物乱用防止埼玉県大会への出席について【狭山支部】
2025年11月19日 更新
令和7年11月17日(月)、埼玉会館大ホールで開催された「第35回暴力追放・薬物乱用防止大会」に、狭山支部(支部長:石垣寛)から支部長以下3名が参加しました。
大会を通じて、暴力団排除と薬物乱用防止には、行政と市民が一体となった継続的な取組が不可欠であることを強く認識しました。狭山支部としても、地域の安全・安心に貢献すべく、引き続き活動を推進してまいります。
以下、大会の概要を報告します。
大会の目的
暴力団が関与する特殊詐欺の増加、大麻を中心とした薬物乱用の若年層への拡大など、深刻化する情勢を踏まえ、官民一体での取組の重要性を再確認するため開催されたものです。
大会の主な内容
第1部(表彰・挨拶・宣言)
- 知事、県警本部長、各機関代表から、暴力団排除・薬物乱用防止に向けた連携強化の呼びかけがありました。
- 「3ない運動+1」(利用しない・恐れない・金を出さない・交際しない)の実践宣言が行われました。
- 薬物乱用防止スローガン「ダメ。ゼッタイ。」が共有され、参加者一同が決意を新たにしました。
印象的だった点
- 警察・検察の取組
県警は、令和6年中に暴力団関係者等816人を検挙し、中止命令を多く発出するなど、強力な取締りを推進した旨の報告がありました。また、埼玉検察庁が新たに連携協定に加わり、被害支援の強化や刑事・民事両面からの広範な対応が期待されることが発表されました。 - 大会宣言
永年の活動が評価され、令和6年度暴力追放功労者表彰(暴力追放栄誉銅賞)を受賞した警察官OB・大久保武男氏により大会宣言が行われました。
第2部及び第3部(特別講演及び県警音楽隊による演技披露)
印象的だった点
- 青山隆治弁護士による特別講演(演題:詐欺を考える ― その背後に暴力団あり)
- 暴力団の活動が「直接的暴力」から「組織的詐欺」へ移行している現状が示され、特殊詐欺、投資詐欺、ロマンス詐欺、深夜の「ぼったくり」事案などの具体例が紹介されました。
- 若年層が加害者となるリスクが指摘され、口座売買や携帯電話転売など詐欺周辺行為により刑事罰及び被害額全額賠償の責任を負う可能性が説明されました。
- 被害回復が極めて困難であり、資金が暗号資産や海外に移転される例も多い実情が報告されました。
- 暴力団関与が認められる場合、暴力団対策法に基づく「代表者訴訟」により組織トップに損害賠償請求できる可能性があり、実際に被害回復が実現した事例が紹介されました。
- 弁護士に依頼する際は、被害金回収の難しさを理解した上で、どこまでの活動を依頼するのか明確にする必要があり、現実には回収が難しい詐欺事案で、高額回収ができたと誤解させるような広告を出している事務所には注意が必要であるとの注意喚起がありました。











