犯罪被害者支援県民のつどいに参加して【浦和支部】
2019年11月28日 更新
支部では11月25日(月)埼玉会館小ホールで開催された「令和元年度犯罪被害者支援県民のつどい」に、田中顧問以下8人が参加しました。第一部は、主催者代表の飯島埼玉県副知事及び来賓の挨拶後、小中学生及び高校生の命の大切さ・犯罪被害者支援に関する感想文等の表彰式が行われました。
第二部は、特定非営利活動法人いのちのミュージアム代表理事、鈴木共子氏による「一人息子を交通事故で奪われて、今」という演題で講演が行われました。鈴木共子氏は、息子が帰宅途中の夜、とび職の運転する飲酒・無免許・無車検・無保険の暴走車両にはねられて、19メートル下のコンクリート上に落下して死亡した交通事故の被害者家族です。
最初に、交通事故による過失致死傷罪の厳罰化を求める、鈴木氏の署名運動の取り組み等について映像で紹介されました。
講演は、鈴木氏の大学生の息子の死亡交通事故被害をきっかけにして、従来の過失致死罪では最大5年以下の懲役刑であったものを、鈴木氏等の署名活動等の市民活動により、20年以下の懲役刑までに厳罰化させたという、初の世論の力による法律改正を成し遂げるに至った経緯について、静かな語り口で話されていたことが胸を打ちました。また、被害発生に伴う自らを責めてしまう犯罪被害者の心情や、良かれと思って言った友人の一言が犯罪被害者を傷つけてしまうこと等も紹介されており、真に被害者の心に共感して寄り添うという犯罪被害者支援の難しさを感じました。
講演の休憩時間に見学した、会館ロビーで開催中の「生命のメッセージ展」では、交通事故死者の等身大のパネルに死者の写真、事故内容等が貼られ、足元に被害者が生きてきた証しとして履いていた靴等が置かれており、元気に家を出たまま無免許・飲酒・無謀運転等の車両に轢かれ、理不尽に生を断たれてしまった人や、その帰りを待っていた家族の無念さは計り知れないものだと新たに怒りが湧いてきました。
また、死亡した幼児の小さなパネルに貼られたあどけない顔写真の前では、昨年、初孫が生まれたばかりの筆者にとっては、とてもいたたまれない気持ちになってしまいました。
交通死亡事故は単なる事故ではなく、乗り物を凶器として使用して起こした事件と捉えて、被害者に寄り添った支援と、刑罰の厳罰化による死亡交通事故防止に取り組む必要性について改めて考えさせられました。