支部会員による「詐欺未遂被疑者」逮捕功労~84歳の会員が自宅近くでの現行犯逮捕に協力【久喜支部】 – https://keiyu110.org/activities/entry_13535/

支部会員による「詐欺未遂被疑者」逮捕功労~84歳の会員が自宅近くでの現行犯逮捕に協力【久喜支部】

2017年11月27日 更新

11月24日(金)久喜警察署長室にて、当支部会員・赤岩榮介氏に対し「詐欺未遂被疑者」の現行犯逮捕協力の功労に対する感謝状の贈呈が行われました。

11月7日から8日にかけて息子を語った複数の電話が本人宅にかかり、詐欺と見抜いた赤岩氏夫婦が久喜署に電話し、急遽駆けつけた同署員が自宅近くの路上で20歳の受け子を現行犯逮捕に結びつけた。との内容でした。

表彰式当日、久喜警察署長室には本人及び奥さんが同席し、広報により駆けつけたNHK等3社の報道関係者が見守る中で、二人に対し久喜署長からの感謝状の贈呈が行われました。

記者から感想を問われ、本人は「光栄なことです。守るべきことをやっただけ、警察活動に感謝しています。」等と話していました。
この状況について、次の通り報告いたします。

表彰・取材日

平成29年11月24日(金)午後1時30分から午後3時00分頃までの間

場所

久喜警察署長室

受賞者

赤岩榮介(84歳)氏、妻・節子(80歳)氏の2名

事案の概要

逮捕日時・場所

平成29年11月8日(水)午後3時44分
被害者・赤岩榮介方付近路上

被疑者

神奈川県相模原市緑区与瀬 無職 林広人 20歳

概要・・広報の概要

被疑者は氏名不詳の男と共謀の上、11月7日(火)午後6時53分頃から数回にわたり、被害者方に孫を騙り「実は浄水器販売の事業を始め、資金を借りたが明日までに200万円を返さなければならない」「100万円は友達から借りられたが、あと100万を貸して欲しい」等と電話をかけ、被害者から現金100万円を騙し取ろうとしたが、通報を受けて警戒中の警察官に現行犯逮捕され、その目的を遂げなかったもの。

記者の質問に対する赤岩夫婦の応答

最初の電話はどちらが取られたのか

奥さん・・
「私が取りました」と言い、相手は孫を語っており、「話があるので明日こちらに来たい」と言っていました。
可愛い孫の顔が浮かび、信じてしまいました。そして、つい「○○ちゃん」と孫の名前を読んでしまいました。
ただ、うちでは、家族同士の連絡は携帯電話を使うことにしており、加入電話でかかって来たのは変だとも思っていました。
電話を切った後、息子のところに電話を入れて確認しようと思ったが、息子は勤めに出ており、嫁さんが出て「久喜まで行く用事は無い。」とのことでした。

ご主人は犯人と話しましたか

赤岩氏・・
妻から話を聞き、先日会っているのに「話がある」と言うのは変だなと感じました。また、7日の電話では、ただ「話がある」と言うだけで、お金の話は出ませんでした。
そこで、金の話が出たら詐欺に違いない。“勝負だ”と言って寝ました。明日電話が来て金の話をしたら即、警察に連絡するとして、電話を待ちました。

奥さん・・
孫には月2~3回会っているし、声が良く似ており、話し方も優しく「おばちゃんごめんね、大丈夫」等と話し、うちの孫は何て優しいのかと思いました。

翌日、午前10時40分頃に電話が入る。

奥さん・・
犯人は「午前中に行こうと思ったが、忙しくて行けないので午後になる」とのことでした。
ここでお爺ちゃんに代わる伝え、話した。
・・こちらから余計なことを言わなければいい、騙された作戦入りとなる。

赤岩氏・・
電話を切った直後の午前10時52分、久喜警察署へ通報した。
すると、即警察官が来てくれました。

金の話が出た

赤岩氏・・
警察官が来てくれた後の電話で、犯人が金の話を始めました。「実は浄水器販売の事業を始め、鹿島建設が請け負って200万円を借りた。その金を明日までに返す予定になっている。金を用意して」「半分の100万でいいから貸して」とのことでした。
・・お前は俺の一番可愛い孫だ、今どこにいる。

犯人・・
「東京の大塚だよ、仕事場があるので今ここにいるんだ。」
「おじちゃん銀行に行くの」

赤岩氏・・
「行かない、ヘソクリを出すよ」
・・この段階で、警察官から「OKと言ってくれ」「警察官が来ているとは言わないで」と話されており、その通りにした。

次の電話で、

犯人・・
「僕が行ければいいのだが、今、大塚にいて行けないので、知り合いの郵便局の“佐藤”さんが、近くのローソンにいるので、そこまで金を持ってきて欲しい。」「お金が入っているとは言わないで」とのとのことでした。

赤岩氏・・
「足が痛くて、そこまでは行けない」

犯人・・
「それでは、佐藤さんを近くまで行かせるので、前の通りまで出てきて欲しい」と言うので従いました。

犯人が金を取りに来た

赤岩氏・・
自宅前50メートル程のところまで行くと、電話をしながら佐藤と名乗る男が歩いて来ました。
男は、「佐藤です、荷物をもらいに来ました」と言いました。
「え!」と聞き返すと、2回同じことを言いました。

奥さん・・
私が持っていた袋(偽装の札束入り)を無言で渡しました。
~孫を語る男からの電話で、「金と言わないで」と言われていたから。

赤岩氏・・
そこで、私からハッキリと「お金だよ」「大切に使うんだよ」と伝えました。電話中の他の犯人にも聞こえるように大きい声で言いました。犯人は、それを聞きながら袋を受け取りました。ただ、受け取る手が震えていました。

現行犯逮捕となる

赤岩氏・・
それを合図のように7~8人の警察官が周りから飛び出してきて、犯人のバンドを掴んで田んぼの方に引っ張り込み、逮捕されました。

署長・・
「警察官自身は已むおえない場合もあるが、協力者には怪我をさせないようにするため、そのような対応を取っています。」とのことでした。

赤岩氏・・
1~2分の出来事でしたが、警察官の動きが絵にかいたように素晴らしかったです。

逮捕協力に関しての感想

赤岩氏は、記者からの感想の求めに対し

  • 新聞などで振り込め詐欺被害について見聞きしているが、自分の生命・財産を守ることは大切なことと思います。また、他の多くの人が被害に遭わないためにも協力することに意義があると思いました。
  • 被害に遭わないために、どうすべきか
    • 親族間の連絡は、携帯で電話することにした。
    • 親族間のコミュニケーションを図ることが大切。
    • 高齢者対策、特に一人住まいの方の見守り。
    • おかしいと思ったら警察に届ける。
    • 知らない人(代理人)に金を渡さない。本人以外は駄目。
  • 警察官OBとしての関わりについては
    • 私は在職中、先輩から個人・社会に対して害となることへの取締りの指導を受けており、これを適正に判断し忠実に実践しただけです。
    • 私は、平成元年3月31日まで(当時56歳)、29年間警察官として職務に当たってきました。当時、諸先輩から「基本を守る」ことを教わり、退職後も交通事故を起こすこと、他人に迷惑が掛かることが無いよう心掛けてきました。~在職中は全て交通畑で働いていた。

今回の感謝状贈呈に至る配慮

平井幸男署長の説明

一般の方には、報復の恐れがあるためか、簡単には協力を得ることが出来ていないのが現状です。
しかし赤岩氏は、果敢にも警察OB魂を発揮し、騙された作戦により犯人逮捕に協力していただき、さらに、奥さんも一緒に協力していただくなど本当に感謝しています。

備考

今回の取材には、前記の3社が取材に当たっていましたが、内NHKの記者に確認の結果、午後6時10分から放送されている「首都圏ネットワーク」にて、来週の火曜日が埼玉支局の当番日に当たっており、採用されれば放映される予定です。
他の「毎日新聞」「共同新聞」についても、支局に持ち帰って採用が決まれば報道されます。
とのことでした。

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